アトピー性皮膚炎、じんましん、にきび、水虫
などに対応いたします。
紫外線照射装置(全身型)も導入しています。
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎は日本人の10人に1人がかかっている皮膚病です。強いかゆみを持つ皮膚炎が慢性的に生じています。
原因として皮膚が元々乾燥しているドライスキンが体質としてあり、汗やハウスダスト、衣服のこすれる刺激に対して非常に過敏となり、かゆいため無意識のうちに掻き壊してしまいます。治療としては十分な量の保湿剤(ワセリンやヒルドイドなど)を使用して大元のドライスキンを改善させ、皮膚炎を生じている場所には炎症とかゆみを鎮めるステロイド軟こうをしっかりと外用することが大切です。当院では診察時に具体的に軟こうをどれぐらい塗ればよいのかをしっかりと説明しています。また適宜血液検査を併用することによって使用する軟膏の種類や適切な通院間隔を提案していきます。症状の重い患者様には紫外線療法や、かゆみを強く抑える免疫抑制薬(シクロスポリンカプセル)の内服も相談のうえ使用します。
また重症のアトピー性皮膚炎の患者様で6か月以上定期的に当院に通院していただいている方には抗体注射薬(デュピクセント)の投与もおこないます。
じんましん
じんましんは突然かゆみの強い赤く盛り上がった発疹が全身に出現する皮膚病です。自然に軽快することも多いですが毎日出現と消失を繰り返すこともあります。
原因を心配される患者様も多いですが、実際は血液検査をしても原因がはっきりしないことが多いです。治療はじんましんを改善させる抗アレルギー剤の内服です。以前は副作用で眠気が生じることも多かったですが、最近は眠気の生じにくい錠剤も開発されてきました。当院では患者様の生活習慣も考慮に入れたうえで十分量の内服薬を処方します。
にきび
にきびは以前は青春のシンボルと呼ばれ治療せずに、そのまま放置されることが多い皮膚病でした。しかしにきびを放置すると、痕が残ってしまうこともあり治すのは非常に困難となります。
幸い最近、にきびに対して有効な塗り薬が多く開発されてきました。早期のうちに治療することを強くお勧めいたします。
水虫
水虫はカビの一種の白癬菌の感染によって生じる皮膚病です。体のどこにでも感染する可能性がありますが、特に足の指の間や、足の裏、足の爪に生じます。
当院では患者様の皮膚のかけらを直接顕微鏡で調べて、白癬菌を確認の上治療をします。塗り薬を根気よく塗る必要があります。爪の水虫は治りにくいので一般的には内服薬を処方しますが、最近は優れた爪専用の塗り薬が開発されたので相談のうえ治療方針を提案させていただきます。
円形脱毛症
円形脱毛症はいわゆる十円はげと呼ばれることがある皮膚病です。ピンポイントで脱毛する場合もあれば全ての毛髪が抜け落ちてしまうこともあります。
残念ながら原因はわからないことが多いですが、時々内臓の病気(甲状腺の異常、全身に炎症が生じる膠原病)によって脱毛することがあるので、血液検査で異常がないか調べます。治療は頭皮の炎症を抑えるステロイドのローションを外用したり、ステロイドを脱毛している部位に局所注射したりします。脱毛の程度が強い場合は大病院に紹介させていただきステロイドの点滴などの強力な治療が必要になることがあります。
男性型脱毛症(AGA)<自費>
男性型脱毛症はいわゆる若はげです。早い場合は20代後半よりひたいや頭のてっぺんの髪の毛が薄くなってきます。日本人男性の3人に1人が男性型脱毛症になります。
やや専門的になりますが毛根の細胞に5αリダクターゼという酵素がありテストステロンという男性ホルモンがこの酵素の働きによってジヒドロテストステロンという物質に変化します。このジヒドロテストステロンが発毛の邪魔をします。当院では5αリダクターゼの働きを抑制して発毛を促すプロペシア®、ザガーロ®の処方をしています。また外用薬として発毛を促すミノキシジルが入った育毛剤の販売もしています。なおこの薬は自費での処方となります。
多汗症
内臓機能に異常がないにもかかわらず、異常にワキや手のひらから汗が出てしまう症状をそれぞれ原発性腋窩多汗症、原発性手掌多汗症といいます。
今までは保険診療で治療できる薬剤がなく治療の選択肢が限られていましたが、近年新しくワキや手のひらに塗る外用剤が開発され保険診療で治療が出来るようになりました。
いぼ・水いぼ
足の裏や体にできる小さなぶつぶつです。ウイルスというとても小さな病原体がぶつぶつの中に集まっています。
傷口にウイルスが入ると新しくいぼが発生します。足の裏のいぼはマイナス200℃の液体窒素を吹き付けて治療します。また小さな子供に多い水いぼはピンセットでつまんで摘出します。水いぼが多発している場合はあらかじめ麻酔をしみこませたテープを貼って痛みを和らげます。
とびひ
とびひは子供によく生じる皮膚病です。正式には伝染性膿痂疹と呼ばれます。虫刺されや、あせもや湿疹をひっかいたところにブドウ球菌や連鎖球菌と呼ばれる細菌感染を生じて皮膚がただれます。ただれた皮膚には細菌がたくさんいますので兄弟姉妹にも移ることがあります。
治療としては軽症の場合は抗生物質の軟膏で治療しますが、範囲が広い場合は抗生物質の内服が必要となります。またアトピー性皮膚炎を持っている子供は特にとびひにかかりやすいので同時にアトピー性皮膚炎の治療を行うことも重要です。
帯状疱疹
子供の時にかかった水ぼうそう(水痘)は治っても原因のウイルスは体の奥の神経に潜んでいます。加齢や強いストレスで免疫力が低下すると、潜んでいたウイルスが再度活性化し、帯状疱疹として発症します。一般的に体の半分に帯状に出現することが多いです。治療としては抗ウイルス薬の内服をしますが、顔面に出現したり、皮疹の範囲が広範囲だったり、痛みが強ければ点滴治療が必要となることがあります。
また皮膚が治っても痛みが残ることがあります。帯状疱疹の痛みに有効な新薬が開発されていますのでお困りの方はご相談ください。また当院では帯状疱疹予防ワクチンの接種を積極的に行っています。50歳以上の患者様や免疫機能が弱い患者様はぜひ接種をご検討ください。
粉瘤・アテローム
粉瘤・アテロームは皮膚のできものの中では最も多いできものです。皮膚の下に袋状の構造物ができています。袋の中で垢がどんどん作られ袋は徐々に大きくなっていきます。
痛みはほとんどありませんが、時々細菌感染を起こすと赤く腫れあがり強い痛みが出ることがあります。この場合は表面を切開して膿を出すことが必要になります。化膿していない状態では局所麻酔をして袋ごと摘出したり、表面に小さな穴を開けて内容物を押し出すくりぬき法といわれる手術をします。当院では大きさや場所に応じた最適な手術方法をご提案いたします。
皮膚がん
皮膚がんはメラノーマと言われるいわゆるほくろのがんが有名ですが、他にも有棘細胞がん、基底細胞がん、乳房外パジェット病といわれる悪性腫瘍があります。いずれも長期間放置すると病変が大きくなったり、転移を生じたりするため速やかな切除が必要となります。
皮膚がんの特徴としていびつな形をしたシミや、急速に大きくなるイボや、こすれるとすぐに出血したりすることがあります。そのような症状があれば当院では視診と皮膚生検(組織の一部を採取し顕微鏡で確認する。)を施行して正確に診断します。診断の結果に応じて適切な治療方針を立てさせていただきます。